INTERVIEW
インタビュー

最後まで戦い抜くカイルの決意
「勝った姿を見せるため、全力を尽くす」
#24カイル・ハント
「実は子供のころは、ちょっと背が低い方だったんだ。自分よりも歳上だったり、背が高い相手に対してシュートを決めるために、自然にこのスタイルで放ち始めた。そうすると相手の選手はブロックできないので、子供のころからあのシュートが好きで気に入っていたよ。ある時期から背が高くなったんだけど、そのクセが抜けなくて今でもフローターを打ち続けている。あれはほとんどの選手がブロックできないし、本当に効果的なので身に着けて良かった。試合の映像を見直しても、自分でもすごく感動するキレイなシュートだなと思うんだ」
208cmと彼ほどのサイズがあれば、もっとゴールに接近してパワフルに叩き込むプレーも可能だろう。実際に、そのようなスタイルの選手も少なくない。だがカイルはスマート(=賢い)ゆえ、あえてそうはしない。
「あのフローターショットは、いろいろなシチュエーションで使える汎用性の高さがあるんだよ。相手のディフェンスマンがオフェンスチャージングをねらって構えている場合は、自分からぶつかりに行かず、止まってフローターを打つほうが賢いと思う。そこでしっかり止まってフローターを打つことができれば、自分のコントロール下にある。でもそこで走ってぶつかりに行ってしまうと、相手のコントロール下に入ってしまうからね。フローターはそのほかにも、多彩な場面で使える。だから、僕は好きなんだ」
エヴェッサの背番号24のユニフォームを着て戦った最初のシーズンが、間もなく幕を閉じようとしている。振り返ればチームは故障者の続発や収まらぬコロナ禍に見舞われ、彼自身もケガで中盤戦にいくつかの試合を欠場。チームにとっても、そしてカイルにとっても、まさしく困難が相次いだシーズンだった。
「本当に、そうだね。控えめに言っても、すごく障害の多いシーズンだった。そのなかでも全員が前に向かって練習をして、自分たちのできる最善を尽くす姿勢を持ち続けた。そのことに自分自身も、またチームに対しても誇りに思っている。残りの試合もわずかだけど、変わらずハードにプレーをし続けることを約束するよ」
チームの大黒柱であり、スコアリーダーでもあった#25ディージェイ・ニュービルが4月上旬にケガで離脱して以降、自らのプレーへの意識が変わった。まずは、得点に関して。今季の1試合平均得点は14.1だが、ディージェイ離脱後の10試合に限ると17.7と数字が向上している。
「ディージェイはリーグのなかで、ずっとスコアランキングの1~2位であり続けた選手だからね。チームにとってディージェイがいないのは、スコアの部分で大きな影響がある。だから僕はチームのために得点することを、以前よりも高く意識している。だけどディージェイが抜けた穴を、だれかひとりで補うことは、はっきり言って不可能だ。バスケットボールはチームスポーツなので、残っている選手が一丸となって、より良い試合をするしかない。厳しい状況が続いているけど毎試合、次に向けてできる準備を全力でやっているよ」
もうひとつは、キャリアを重ねた選手としてチームをまとめること。
「ディージェイはチームのなかで、リーダー的な役割を担っているひとりだった。その代わりを全部できるとは言えないけど、個人的にはもっと声を出して、チームメイトと話をしていこうとしている。僕の性格から、これまでは静かになってしまうこともあった。だけどケガ人が多い今のように困難な状況では、自分が周りを鼓舞していかないといけないと考えている。ひとりひとりがステップアップする、自信を持つ。そのためにも、僕の声がかなり大きな役割になるだろう。だからこそ、僕は積極的にリーダーシップを発揮していこうと思ってやっている」

「そのときに誰といるか、どういう状況かでも変わってくるけど、静かなときもあれば逆にうるさいような、集団のなかで目立つような人間のときもあるよ。オンコートではいろんなことが同時に起こっていて、その状況を見極めないといけない。だからつねに周囲に気を配っていようと思って、意識的に落ち着いて静かな状態でプレーしている。でもオフコートは、自分ではけっこう面白い人間かなと思っていて自分でも笑らうし、人を笑わせるジョークを言ったり、良い雰囲気を作るのが好き。誰といるとかにもよるけど、いろいろな面があると思うよ」
はにかんだような笑顔を交えて話す様子から、シャイな性格なのかとも思ったが、本人曰くはそうでもないそうだ。
「人間観察というか、まず周りの状況を見て判断するところがあるので、そう見られるかもしれないけど、自分ではあまり人見知りではないかなと思う。周りの人もけっこう自分に話しかけてくれるし、そうなると楽しく話しているよ。僕は海外でのプレー経験が長くて、周りがなにを言っているかわからない、言葉が通じないことに慣れている。そういう状況で周りを観察しないといけないような場面が多くあって、それが習慣になっているのかもしれないね」
残りは今節も含めて3試合。シーズンのフィニッシュに向けて彼は、コート上でファン・ブースターにどんな姿を見せるのか。
「いちばんは勝ったシーンを、ファンのみんなに見てもらいたい。そのために僕はチームの助けになることを、全力でやっていく。僕は個人でどうプレーするかより、チームのためにプレーする選手。自分にとってもファンのみんなにとっても、もっとも大事なのはチームが勝つこと。それに向かって全力を尽くし、40分間戦い抜いたあとに勝利を手にしている姿を見せたい」
先の質問を最後にインタビューを終えようとしたところで、彼が伝えてほしいことがあると切り出した。
「ファン・ブースターのみんなに、いつも感謝していると伝えたいんだ。みんなはホームゲームはもちろん、アウェーの試合にも来てくれていることに僕は気付いている。みんな本当に、素晴らしいファン・ブースターだ。またインスタにも温かいメッセージや、僕を勇気づけてくれるメッセージを送ってくれるのもうれしい。それに恩返しできるように、みんながこれからもサポートしたい選手だと思えるように、僕はこれからもハードにプレーしていくことを誓うよ」
黒いユニフォームに込めた誇りとともに、カイルは最後まで力強く戦い抜く。
PICK UP
見どころ

15連敗中と苦境にある新潟が相手
エヴェッサはここで連敗を止めたい
今節は1月に開催を予定しながら、コロナの影響で中止となった試合の代替ゲーム。新潟アルビレックスBBをホームに迎えて戦う。新潟はエヴェッサと同じく、2005年に開幕したbjリーグに初年度から参戦。ともにbjリーグ初年度の6チームのひとつ、いわゆる“オリジナル6”であり、当時からのライバルである。エヴェッサはここで連敗を止めたい
bjリーグ時代の新潟は初年度にエヴェッサと優勝を争ったのをはじめ、幾度もプレイオフに進出した強豪。2016年のBリーグ開幕以降も 2018-19シーズンに中地区を制してチャンピオンシップ進出を果たした。しかし、その後は成績が低迷。昨季は東地区9位、今季はB1ワースト記録の26連敗を喫し、現在も15連敗中で東地区最下位と苦戦している。
一方のエヴェッサも、大黒柱の#25ディージェイ・ニュービルらケガ人が続出。ベンチ入りメンバーが8~9人という苦境にあり、チームワーストの11連敗中にある。エヴェッサとしては、なんとしても今節に連敗を止めたいところだ。
新潟のエースは、1試合平均18.3得点をマークする#25ロスコ・アレン。208cmの長身ながらリング周りだけではなく、アウトサイドからもゴールに迫ってくる。またリバウンドもチーム最多の同8.6と、まさに攻守の要だ。前節の群馬クレインサンダースとのGAME1はチームハイの15得点と気を吐いたが、翌日のGAME2は体調不良でベンチ入りを外れた。今節の動向は不明だが、仮に欠場となれば新潟には大きすぎる穴が空く。
アレンに続いて警戒すべきは、#4ジェフ・エアーズ。2017年にアルバルク東京への入団で初来日し、以後は琉球ゴールデンキングスをはじめ5チームに在籍と日本でのプレー経験が豊富にある。35歳のベテランとなった今も、ともにアレンに次ぐ1試合平均11.0得点、同7.4リバウンドをマーク。アレンが欠場した群馬とのGAME2では、キャリアハイの34得点と奮闘した。

スコアリーダーはハントに期待
新たな一面を見せる若手にも注目
そんな新潟には、エヴェッサと縁ある選手が2名在籍している。ポイントガード(PG)の#17綿貫瞬はbjリーグ時代にエヴェッサでプロデビューし、通算3シーズン在籍。34歳のベテランになった今も以前と変わらず、冷静なゲームコントロールと、外国籍選手が居並ぶリバウンド争いに果敢に飛び込む熱いプレーでチームを支えている。新たな一面を見せる若手にも注目
もうひとりは、シューティングガードの#34遠藤善。昨季終盤にエヴェッサに加わったが、出場は4試合のみ。しかしシーズン最終戦のシーホース三河戦では28分出場して12得点と、高い能力の片鱗を現わした。出場機会を求めて新潟に移籍した今季は先発起用の機会も多く、要所で3Pを決めるなどで1試合平均7.2得点をマーク。彼も自由にプレーさせてはいけない選手だ。
迎え撃つエヴェッサでスコアの軸になるのは、#24カイル・ハント。直近の9試合連続で2ケタ得点をあげ、4月30日の広島ドラゴンフライズ戦ではチーム最多の24得点と活躍した。得意技は、リングから少し離れた位置から放つフローターショット。これがリングに吸い込まれるシーンが数多く見られれば、エヴェッサは勝利に近づく。
また#10デイビッド・ドブラスはゴール下での得点とリバウンド奪取で、#33アイラ・ブラウンは攻守両面でのプレーはもちろん、チームリーダーのひとりとして仲間を鼓舞する役割でもチームに貢献してくれることを期待したい。
さらに、若手選手のプレーにも注目したい。#3エリエット・ドンリーは最近の試合ではPGの役割を任され、新たな一面を見せている。今季に新加入したがなかなか出場機会が得られなかった#8ジャワラ ジョゼフは、ここ4試合連続で20分以上のプレータイムを獲得。4月30日の広島戦ではシーズンハイの10得点をあげるなど、秘めたる能力の開花を予感させる。
伸び盛りの若手と残った主力メンバーが融合し、全員バスケで新潟を倒す。

ROSTER
選手一覧

OSAKA EVESSA
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青木 龍史
#1 PG/SG 180cm/80kg
1998年3月19日生 愛知県出身 -
エリエット・ドンリー
#3 SF 198cm/91kg
1996年12月11日生 神奈川出身 -
ジャワラ ジョゼフ
#8 PF 197cm/93kg
1998年2月9日生 東京都出身 -
ザック・モーア
#11 SF 198cm/95kg
1997年3月26日生 アメリカ合衆国出身 -
中村 浩陸
#13 PG/SG 177cm/76kg
1997年11月29日生 愛知県出身 -
橋本 拓哉
#14 SG 188cm/88kg
1994年12月3日生 大阪府出身 -
竹内 譲次
#15 PF/C 207cm/98kg
1985年1月29日生 大阪府出身 -
合田 怜
#20 PG/SG 184cm/80kg
1993年8月31日生 大阪府出身 -
カイル・ハント
#24 PF/C 208cm/104kg
1989年10月31日生 アメリカ合衆国出身 -
ディージェイ・ニュービル
#25 PG/SG 193cm/95kg
1992年5月22日生 アメリカ合衆国出身 -
木下 誠
#31 PG 185cm/80kg
1997年3月31日生 大阪府出身 -
アイラ・ブラウン
#33 SF/PF 193cm/107kg
1982年8月3日生 アメリカ合衆国出身 -
デイビッド・ドブラス
#10 C 209cm/120kg
1981年8月6日 スペイン出身

NIIGATA
ALBIREX BB
ALBIREX BB
-
#0
PG岡本 飛竜
170cm/78kg -
#1
SF星野 曹樹
195cm/90kg -
#3
SF大矢 孝太朗
193cm/87kg -
#4
PF/Cジェフ・エアーズ
209cm/122kg -
#6
SFコービー・パラス
198cm/91kg -
#14
SG木村 圭吾
188cm/82kg -
#15
Cチリジ・ネパウェ
208cm/122kg -
#17
PG綿貫 瞬
178cm/73kg -
#21
PG/SG納見 悠仁
181cm/83kg -
#23
SG佐藤 公威
186cm/87kg -
#25
SF/PFロスコ・アレン
208cm/100kg -
#32
SF池田 雄一
191cm/93kg -
#34
SG遠藤 善
182cm/75kg
TIME SCHEDULE
タイムスケジュール
4日
- 11:30
- 当日券販売・CLUB EVESSA受付開始
- 11:50
- CLUB EVESSA プラチナム・ゴールド会員 先先行入場
- 12:00
- CLUB EVESSA 先行入場
- 12:10
- 一般開場
- 12:30
- 前座試合(予定)
- 14:17
- MC登場
- 14:23
- BTパフォーマンス
- 14:27
- 両チーム選手入場
- 15:00
- 審判紹介・両チームスターティング5紹介
- 15:05
- TIP-OFF
GOODS
グッズ情報
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