ゲームプログラム MAJESTY 12/23・24 vs 長崎ヴェルカ
日本代表が電撃加入した長崎 B1初年度ながら西地区3位
今節の相手は、長崎ヴェルカ。クラブは家電などのテレビ通販で知られるジャパネットホールディングスが運営会社となり、2020年に創立された。翌2021-22シーズンにB3に参戦し、最短の3シーズン目である今季にB1の舞台に昇り詰めた。
今季はB1昇格初年度ながら開幕4連勝と好スタートを切り、ここまで13勝9敗で西地区3位。13勝には開幕戦で千葉ジェッツを相手に2連勝、先の水曜も昨季のチャンピオンチームである琉球ゴールデンキングスからアウェーで白星をもぎとるなど、リーグ屈指の強豪から勝ち星をあげている。エヴェッサは9月23日に、天皇杯の2次ラウンドで対戦。前半に先行を許し、後半に追い上げるも届かず82-86で敗れた。B1昇格1年目のチームだと侮ってはならないのは、あの対戦で感じさせられた。
長崎はB1を戦うにあたって、B2で準優勝を果たした昨季から約半数のメンバーを入れ替えた。とはいえ核になる選手を残しながら、適材適所の補強を果たしている印象だ。残留した選手のひとりで、チームのエース格であるのは#5マット・ボンズ。得点はチームハイの1試合平均14.7をあげている。かつては西宮(現神戸)ストークスでプレーし、当時からとくにオフェンス面でB2のレベルを超えた勝負強さを発揮していた。
新加入選手でリーグ全体にも大きなインパクトを与えたのは、#18馬場雄大。彼は筑波大在学中の2017年にアルバルク東京に入団し、ルーキーイヤーから2シーズン連続で優勝に貢献。その後はNBAを目指して海外挑戦を続けていたが今季、Bリーグに電撃復帰を果たした。2021年の東京オリンピックに出場し、記憶に新しい今秋のワールドカップでは全試合にスタメン出場。パリ五輪の出場権獲得に大いに貢献した、現役の日本代表の中心選手なのである。
高い攻撃力の長崎に対し 守備を軸足において戦うべき
ここまでボンズ、馬場と個人の名をあげたが、長崎は彼らの個の力に頼るチームではない。その証拠に#7ジャレル・ブラントリーはボンズに次ぐ1試合平均14.3をあげているほか、#33ニック・パーキンスが同13.8、馬場は同13.5と1試合平均13点以上をあげる選手が4人もいる。どこからでもスコアできるチームで、1試合平均得点はリーグ3位の83.8と高い。これまでの戦跡を見ても、ハイスコアの打ち合いになるゲームが目立つ。一方で長崎のウィークポイントはディフェンス力。1試合平均の失点はリーグワースト6位の83.0と、得点とほぼ同じ数の失点を喫している。
対するエヴェッサの1試合平均得点は75.9で、同失点は78.7。得点面は1試合平均19.1得点をあげてチームのスコアリーダーだった#32アンジェロ・カロイアロが、ケガで1ヶ月以上にわたって戦列を離れている影響が大きいことは否めない。カロイアロ、そしてともに前節をコンディション不良で欠場した#8多嶋朝飛、#20合田怜も今節で復帰の可能性はあるが、コートに戻ったとしてもゲーム感などを考えると、彼らにいきなり100%の状態を望むのは酷である。
ロスターが万全の状態で揃っていれば、今季のエヴェッサは長崎を相手に打ち合いを挑んでも一歩も引かない攻撃力がある。しかし現在のチーム状態を考えると、打ち合うのは得策ではない。ゆえに今節は、これまで以上にディフェンスに軸足を置いて戦うべきだろう。長崎を70点台前半から半ばに抑えられるかが、勝利へのひとつのカギ。そのためにはターンオーバーからの失点をなくすなど、チームディフェンスを徹底しなければならない。固く守り、攻めに転じてはインサイドで圧倒的な強さを発揮する#21ショーン・ロング、そして4試合連続でふたケタ得点をあげるなど好調の#14橋本拓哉の奮闘に期待したい。