北海道の3P成功率はリーグワースト あえて難しい外から打たせる作戦も!?
今節の相手であるレバンガ北海道は、今季は開幕4連敗とスタートでつまずいた。その後はアウェーでのファイティングイーグルス名古屋戦を1勝1敗とし、先日の水曜日はアウェーで滋賀レイクスに81-76で勝利。現在は2勝5敗で東地区8チーム中、5位につけている。
北海道はベテランであり、精神的支柱でもあった桜井良太が昨季限りで引退するなど、半数近くのメンバーが入れ替わった。なかでも昨季チーム最多の1試合平均16.8得点をあげたリード・トラビスが退団した影響は少なくないようで、昨季のチーム1試合平均得点が81.9であったのに対し、今季はまだ7試合しか消化していないが76.6と5点以上も減らしてしまっている。
その穴を埋めるべく奮闘しているのが、滋賀から移籍した#5ライアン・クリーナーだ。ここまで7試合すべてに出場し、チームハイの1試合平均15.0得点をマーク。試合ごとの波がなく、安定して得点をあげている。主な得点はゴール付近で記録されているが、1試合あたりの試投数は少ないものの、ここぞの場面で3Pも決めてくる。208cmのサイズがありながら走れるパワーフォワードであることが特徴で、ターンオーバーなどのミスから北海道に速攻の機会を与えてしまうと、かなりの確率で彼にやられてしまう。エヴェッサは今のところリーグで2番目にターンオーバーが多いだけに、この点は大いに気を付けなければいけない。
北海道のウイークポイントは、信頼できるアウトサイドシューターが不在であること。3P成功率がリーグ最低の26.4%という数字が、それを表している。さすがにワイドオープンで打たせるのは厳禁だが、場合によってはインサイドを厚く守って苦し紛れのパスを外に出させ、難しいシュートを打たせるのも効果的かもしれない。
エヴェッサは3P成功率リーグ2位だがインサイドを疎かにしてはいけない
一方のエヴェッサは、3Pの成功率がリーグ2位の38.0%。3Pが得意な#14橋本拓哉が故障者リスト入りして今季は未出場でも、この数字である。これに貢献しているのが、新加入の2選手だ。#1レイ・パークスジュニアは42.9%の成功率で、出場した7試合すべてで3Pシュートを成功。10月6日のアウェー滋賀戦では、4本を決めた。また#5マット・ボンズも成功率が39.5%と非常に高く、10月12日にホームで行ったFE名古屋戦では第3Qだけで6本の3Pを沈めて、勝利の立役者になった。
彼らだけではなく、こちらも新加入の#88牧隼利も試投数は多くないが成功率は47.8%。そしてヴェッサーにはおなじみの#31木下誠も、36.7%という数字もさることながら、今季もここぞの場面で決めている。新加入の#52ヴォーディミル・ゲルンがリーグ5位の1試合平均リバウンド10.3をあげているだけに、彼がコートに立っている時間帯は積極的に外からの攻撃を仕掛けるのも面白い。
ここまでのエヴェッサは2Pで1試合平均約40点、3Pで同約30点と得点のウエイトは3Pのほうが大きい。だがバスケットボールの勝敗を分けるポイントは、やはりゴール付近での攻防。3Pは決まれば相手に与えるダメージは大きいが、成功する確率は良くても30%台半ば。それに対して2Pは、50%近くの成功が期待できる。今節もまずは、丁寧にインサイドを攻めることが大事。ボールを回しながら全員で動いて相手の守備にズレを作り、ゴールへの道が空いたら迷わずにリングにアタック。もしくはアウトサイドシューターがフリーになれば、キックアウトのパスを送って外から仕留める。繰り返しになるが、その際にターンオーバーを犯さない。そのことに、最大限の注意を払わなければいけない。
エヴェッサは開幕から4連勝と好スタートを切ったが、水曜日にアウェーで長崎ヴェルカに敗れて3連敗中。長崎戦は前半終了時に11点のビハインドを背負ったが、後半に追い上げて81-79と2点差の惜敗だった。後半のスコアだけを見れば9点リードと、試合中の立て直しに成功した。敗れたとはいえ、嫌なムードを引きずってはいない。ここから再び上昇気流に乗るために、開幕からまだ調子が上がっていない北海道には連勝しておきたいところだ。
大阪 | 北海道 | |
---|---|---|
81.4 | 得点 | 66.6 |
76.9 | 失点 | 76.6 |
50.0% | 2P成功率 | 50.6% |
38.0% | 3P成功率 | 26.4% |
40.6 | リバウンド | 33.1% |
※各数字は1試合平均 |