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今季の僕らは明確にチャンピオンシップ(CS)を 目指せるチームになっている ──#11ライアン・ルーサー




バスケットボールでは、ベンチメンバーのなかでもっとも活躍が期待される選手をシックスマンと呼称する。エヴェッサにおけるシックスマンは、この#11ライアン・ルーサーだ。昨季は全60試合でコートに立ったが、先発出場は9試合のみ。それでも1試合平均得点は#5マット・ボンズの16.1に次ぐ、14.9をマーク。まさに頼れる、第六の男なのである。

「自分自身は正直なところ、スターターであろうがベンチスタートであろうが、こだわりはないんだ。チームが求める役割を果たすこと。それだけを意識している。個人の数字についても、そうだね。コーチ陣が求めていることをしっかりと頭に入れて、それをコートで表現する。チームメイトとも密にコミュニケーションをとって、チームのためにプレーしようといつも考えているよ」



アメリカのバスケ名門校である、アリゾナ大出身。大学卒業後はヨーロッパでプロ選手としてのキャリアを重ね、昨季にエヴェッサに加わって初めて日本でプレーした。当初は初めて体験する日本のバスケに多少の戸惑いが窺えたが、すぐにアジャスト。昨季の9試合目だったレバンガ北海道戦では5本の3Pシュート成功を含む36得点と大爆発し、欠かせない戦力であることを証明した。そんな彼は今季、迷うことなくエヴェッサに戻ってきた。

「今季もエヴェッサでプレーすることにした大きな理由は、昨季いっしょにプレーしていたメンバーが多く残ることだったね。素晴らしい選手が揃っているので、今シーズンは昨季よりもベターになると思っている。自分自身としては昨シーズンにやり遂げたことを、今シーズンも同じようにして発揮したい。それにプラスしてディフェンス面でもチームを助けられるようにと、オフシーズンから取り組んできたよ」

今季のエヴェッサの強みは藤田弘輝ヘッドコーチが続投し、昨季のメンバーの多くが残留したこと。継続路線のうえに、熟成を重ねていくスタイルで新たな戦いに臨んでいる。

「その通りだね。今季も引き続きエヴェッサでプレーする選手が多いことが、僕たちのアドバンテージになる。チームとしてさらに成長できるはずだし、今シーズンははっきりと、チャンピオンシップ(CS)を目指せるチームになっている。開幕戦で優勝候補の一角とされる三遠ネオフェニックスにGAME1は負けてしまったけど、GAME2はしっかりとした内容で勝ってバウンスバックできたのは、それを証明していると思う。チーム全員でまずはCSに出場することにフォーカスして、これからのシーズンを戦っていきたい」



 
CS出場の思いをかなえるため、
つねにアグレッシブにプレーする



来日2年目を迎えて、すっかり大阪での暮しにも慣れた。この夏は自宅からロードバイクで練習場である、おおきにアリーナ舞洲まで通っていたほどだ。

「大阪は大きな街で道路が混んでいることもあるから、車よりも自転車のほうが早かったりするしね。バイクで走っているときに、ランチが食べられるお店も見つけたんだ。アリーナまでの道順もばっちり覚えたし、なにも問題はなかったよ。問題があったとすれば、今年の夏は暑過ぎたことだね。大学時代を過ごしたアリゾナの夏もとても暑いんだけど、砂漠性気候だから空気は乾燥しているんだ。だけど、大阪の夏は湿度が高くて……。あの暑さには、本当にまいったよ(笑)」

オフの日は時間があれば、妻とよく外出するという。なかでもお気に入りは、梅田の街。

「大阪はとてもいい街で、とくに梅田にはレストランやショップがたくさんある。いつも、楽しいなと思って出掛けているよ。オフの日はほかにもいろんな街に行って、そこがどんなところなのかなと旅行みたいなこともしているんだ。日本は英語が通じるところが少ないけど、それも生活の一部だとアジャストしている。僕も妻も日本語を勉強しているんだけど、僕はまだ全然上手くないから(笑)、妻に助けてもらうこともあるね」

彼自身が手応えを感じているように、チームとしても今季の第一の目標はCS出場。それは簡単ではないが、決して手が届かない場所にあるものでもない。エヴェッサの頼れるシックスマンは目標を果たすため、どのように戦い抜くというのか。

「昨シーズンもそうだったけど、今シーズンもいい選手がBリーグに流れてきていて、全体のレベルはさらに上がったと感じている。そんなライバルチームに負けないように、僕らも全員でしっかりとしたチームを作っていかないといけない。チームとしては当然そうだし、僕個人的にもCSに行きたい思いは強くある。そのためにつねにアグレッシブに、そして自信を持ってプレーする。それを、やり続けていくよ」

ライアンはどんなときも感情を乱さない、穏やかなジェントルマン。しかしこのときの口調は熱を帯び、表情には固い決意が浮かんでいた。




取材/文 カワサキマサシ