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今のチーム状況では、何事も 前向きに捉えることが大事 ──#35鈴木達也

エヴェッサ在籍4シーズン目
今季はベンチからの出場で流れを作る



#35鈴木達也は今季が、エヴェッサで4季目のシーズン。2013年に当時bjリーグのバンビシャス奈良でプロのキャリアをスタートさせた彼にとって、2016-2021までの5シーズンにわたってプレーした三遠ネオフェニックスに次ぐ在籍期間となった。前所属の京都ハンナリーズから移籍で加わり、チームも新たなヘッドコーチ(HC)にマティアス・フィッシャーを迎えたところだった。

「エヴェッサは魅力的なチームだと思っていたので、移籍のお誘いをいただいた際は、とくに迷うことはなかったですね。加入した当初はフィッシャーHCからディフェンスは激しくやって、オフェンスではチームをしっかりとオーガナイズしてほしいと言われていました。当時はD.J・ニュービルという大きな核になる選手がいたので、オフェンスでやることははっきりしていましたね」



フィッシャーHCのもとで2シーズンにわたってプレーしたのち、昨シーズンから藤田弘輝HCに替わった。ドイツ出身でヨーロッパ型をベースにしたフィッシャーHCのバスケに対し、前線から激しくプレッシャーをかけ、攻撃に転じれば全員でスピードを上げて相手ゴールに迫るスタイルに一変した。

「オフェンスもディフェンスも、チーム全員でやるスタイルに変わりましたね。外国籍選手も3人全員が入れ替わったので、藤田HCの1季目はいろいろと変わることが多かったです。だけどシーズンを通して、チームは全員が同じ方向を向いていたので、勝っても負けても誰かのせいではなくて、チーム全員の責任だという感じでした」


今季は藤田HCが率いて2シーズン目。外国籍選手は全員が残留し、日本人選手のコアメンバーも昨季と同じ顔ぶれがロスターに並ぶ。当然、戦い方もキープコンセプトであり、“DOG FIGHT”をキーワードに掲げて強度の高いバスケを展開している。そんな今季のチームのなかで、だれの目に見てもわかる変化がある。#35鈴木の役割である。昨季は出場54試合のうち41試合でスターター起用されたが、今季はここまで28試合に出場して先発は1試合のみ。途中交替でコートに立つ役割が与えられている。

「僕ももう35歳になるシーズンなので、いつまでもスターターでやれるわけではないとは思っています。今は交替で試合に出る役割なので、チームにいい影響を与えたり、いい流れを作れたらと思ってコートに入っています。とはいっても、そこまで大きな変化はないですね。やることは、いっしょなので。自分ができることしかできないので、それを最大限にやろうと考えています」



 
プレーでは積極に3Pを打って決め、
危機的状況のチームは背中で牽引する



攻撃の組み立てと同様に、チームにとって武器になっているのが彼が決める3Pシュート。昨季の成功率37.1%に対し、今季はここまで46.7%と特段に高い数字を残している。

「3Pシュートはしっかりと打ち切って、自分の強みにしていきたいと思っていて、今はいい流れで来ていますね。スターターで出ていたころと比べてプレータイムは減ってきてはいますが、自分が出た時間帯はシュートをねらっています。3Pシュートへの意識が上がってきたのは、ここ数年ですね。空いたら打つ、空いたら打つ。その繰り返しです。シューティングしていても以前より入っている本数は確実に増えていますし、試合での結果も数字に表れているので、それが自信につながっているのかもしれないですね。自分がワンドリブルからレイアップに行くより、3Pシュートを打ったほうが効率がいいので、積極的に打つようにはしてます。3Pシュートは決まれば流れが大きく変わることがあるので、これからもねらっていきます」


#15竹内譲次とともに、3シーズン連続でキャプテンを務める。#15竹内に次ぐ年長者でもある立場から今季のチームを俯瞰すると、昨季よりも強くなったと感じられる部分が目に映る。

「フィジカルにディフェンスができている、そこは確実に、昨季より強くなっていますね。とくに今季新たに加わった日本人選手が、それをもたらしてくれたと感じています。残念ながら#7高橋快成はケガの影響でまだ試合には出られていませんが、彼は万全ならすごくフィジカルで激しいディフェンスができる選手ですから。ほかに#4青木保憲、#8植松義也、#60坂本聖芽もフィジカルで泥臭く、ディフェンスをアグレッシブに頑張ってくれています。そういったところが、昨シーズンに積み上げてきたものから、さらにプラスアルファになっていますね」



チームはスコアリーダーの#5マット・ボンズが、ケガで12月19日にインジュアリーリスト入りし、再登録が可能なのは30日後という非常事態に見舞われた。エースの穴を少しでも埋めるべく、#34ジョシュア・スミスを緊急獲得。体重138kgの厚みのある体躯が特徴で、選手としての特性は#5ボンズとはまったく異なる。司令塔のひとりとして、#34スミスをどう活かしていくと考えるのか。

「#34スミスが出ている時間はペースをどんどん上げるよりも、少しテンポを遅らせてでも彼の強みを出していく必要があると思う。もちろんそこにもフォーカスしますが、チームが今まで積み重ねてきたものをゼロからにするのではなく、僕らのスタイルに#34スミスのいいところをプラスしていければベスト。彼が出ている時間帯は、今までやってきたバスケットとは違うものにならざるを得ないところがあるでしょう。僕らが積み上げてきたものに#34スミスという少し毛色の違うスパイスを加えて、いい形でチームに生かしていきたいですね」



 
#5ボンズの復帰まで、厳しい戦いを強いられることが予想される。今季でプロ13シーズン目と豊富なキャリアを誇る彼は、今のチームが大事にすべきことをこう語った。

「とにかく今のチーム状況では、何事も前向きに捉えることが大事だと思っています。それに#5ボンズが復帰するまでは、ひとりひとりがプラスアルファの仕事をする必要があるとも思っています。各々がそういう意識を持ってやっていけば、#5ボンズが戻ってきたときにチームのスケールがもっと大きくなれる。僕は、そう思っています」


エースを欠いて、チームがピンチの状態にあることは間違いない。そんな今だからこそ、彼のようなベテランが頼りになるのだ。スターターで出場しようと、途中交替でコートに立とうと。#35鈴木達也は最前線から、その背中でチームを牽引する。




取材/文 カワサキマサシ